【新生FF14】歴史学を勉強している人間による「漆黒」の感想

ヒーラーのロールクエの1コマ 新生FF14

本記事には「漆黒」のネタバレを含んでいます。御注意下さい。

非常に読みにくいと思いますが、今回の記事はSSをあまり掲載していません。皆様、自分自身のキャラクターで「漆黒」の余韻に浸っていると思いますので…。

記事の更新が随分と空いてしまいました。

ヒーラーのロールクエの1コマ

「漆黒」のメインクエを終了させた後は、アルケオタニアの湧き待ちをしていたので、ギャザクラのレベリング開始は若干、遅めとなりましたが、8月上旬の時点で、既に3ヒーラー、並びに漁師以外のギャザクラはカンストさせていました。漁師の方も下旬にはカンストさせており、更には極も全て終わり、現在は何時も通りのライトプレイヤースタイルに戻っています。

過去に発売された拡張パッチに於いて「漆黒」はレベリングに要した期間が一番の短期でした!

今更ながらの「漆黒」の感想文を以下に記述しますが、他の人とは異なる視点になっていると思いますので「こんな見方もあるのね」程度の認識で読んで下さいね。

魅力的な悪役キャラの存在は大きい

「紅蓮」最後のクエがあまりにも尻切れトンボ的な終幕だったので、「漆黒」では如何なる展開なのかと危惧していたが、蓋を開封してみれば「漆黒」の評判は全世界で絶賛されており、杞憂に過ぎなかった。

だからと言って「漆黒」の序盤も期待を感じさせるものに至らず、アルフィノとアリゼー関連のメインクエは、まさに「ダークファンタジー」そのものだった。

特にテスリーンの罪食い化は真夜中にプレイしていたので、戦慄しました…。ホラー好きのもんち君も絶句していましたから…。

このまま「ダークファンタジー」路線を貫き通すのかと思いきや、妖精郷イル・メグという世界観も手伝って、これぞ「王道ファンタジー」路線に突入した。「この様な展開は好きだな」と感じていた所に「漆黒」での真打ちである、エメトセルクが登場。

魅力的な悪役だったエメトセルク

エメトセルクというキャラクターは一見、飄々としている上に掴み所が無く、更に猫背スタイルや別れる際の挨拶などの一挙手一投足からして、非常に特徴的だ。これだけでプレイヤーに対して強烈な印象を与えているのだが、更に悪役でありながら人間味溢れる形で描写されている。

善と悪が存在する「物語」には「悪役」という名脇役の存在が不可欠なのだが、言うなれば「悪役」に魅力が無ければ「物語」は成立しない。

エメトセルクはこの条件を満たしており「漆黒」が成功した要因の1つだと考えている。

エメトセルクは自らプレイヤーに同行という想定外の行動を起こしつつも、己の心境や主張を述懐する。その述懐はプレイヤーが置かれている立場を完全に否定しており、寧ろエメトセルク側に同情せざるを得ないものなので、多くのプレイヤーが彼に対して傾倒したに違いない。

ラストダンジョンである「終末幻想アーモロート」を開放する直前、エメトセルクはプレイヤーが過去を思い出さない苛立ちもあり、激情を剥き出しにして自己主張する。「暁」メンバーも反論するが、どちらが善悪かを度外視しても、私個人としては、魅力的な悪役たるエメトセルク側に軍配が上がると感じてしまうのだ。

故にエメトセルクというキャラクターは悪役として申し分なく合格点の域に到達していると考えている。

吉田Pは、ハイデリン側が悪に思える現状の展開に対して含みのある発言をしているので、以降の描写が興味深い所だ。竜頭蛇尾的なものに終止しないのを願うばかりだが…。

NPCたるエメトセルクの会話も興味深かったですしね!彼には、もう少し積極的に話掛ければ、と後悔しています…。

自分の分身キャラクターが「完全な主役」を演じている楽しさ

「漆黒」が世界中で受け入れられたもう1つの要因として、自分の操作している分身キャラクターが「完全な主役」として演じられているからだ。

数多存在していたMMORPGでは「主役は貴方です」と標榜されるのが多い。しかし実際の所は、肝心要なストーリークエストに感情移入する要素は皆無に等しく、NPCからクエストを受諾して淡々とクエを消化する「作業感」しか得られない。

これが謙虚に出ていたのが私が一番最初にプレイしていたMMORPGであった。丁度10年前はMMORPGが多く量産されていた時期でもあったので、ストーリーは二の次な扱いなのが多かったかも知れない。

あれだけ量産されていたMMORPGは、多くが数年で消えましたね。

新生FF14も、最初はお使い感が半端ない多くのクエに辟易した。「政治」いう非常に扱いが難しいものをテーマに扱っているのもあり、自分のキャラクターはお使いされている感が否めない。エオルゼアの為政者達が、面白い駆け引きをしていれば退屈はしないのだが、批判を覚悟して言うならば生憎その要素は無い。

本来「政治」をテーマにするゲームを創造したいのであれば、過去の歴史から起こった出来事を上手く利用するべきなのだ。例えば、日本の戦国時代は同盟誓約や政略結婚などの駆け引きが豊富であり、それが思いも知れない展開になる。

この知謀や策略に富む駆け引き作戦を繰り出す戦国武将に憧れる人も多い。故に戦国時代をモチーフにした、例えば「信長の野望」に代表されるが如くなゲームや小説など、サブカルチャー的なものが今でも末永く世に出されているのだ。

「漆黒」では、かような「政治」の描写が無いので、その分、登場するキャラクターが感情豊かに描写されている。直情型のアリゼー、何処か含蓄があるウリエンジェ、自身の存在意義で悩み成長するリーンなどが「漆黒」の脇を固めている。

同時に自分が操作している分身キャラクターについても、「選択肢」によって感情が付けられているのだ。中には不真面目そのものな選択肢もあり、NPCも相応な呼応をするのだから、感情移入し易い。

「漆黒3大選択肢」の1つ不法侵入者

しかし感情移入し易い最大の原因は、自身が操作する分身キャラクターが主人公に徹したストーリー展開されている点だと思われる。

罪食い浄化能力や世界が14分割される前は古代人だったという設定をストーリー内で存分活用し、更にこの設定は分身キャラクターにしか備わっていないので、益々な主人公気取りになれたのだ。

だから、窮地に陥る場面では「え?これってやばいんじゃないの?」と本気で錯覚してしまったぐらいだ。

白い吐瀉物を吐いた時は驚きましたが、描写が細かいですよね。

ここまで分身キャラクターが主人公になれるMMORPGは、最初で最後の出会いになるかも知れない。

エメトセルクの最期の台詞で思う事

随分と前置きが長くなってしまったが、実は私が一番書きたかった部分に触れられる…。

どうも現代人は古代文明に思いを馳せる傾向がある模様だ。

18世紀の後半イギリスから端を発した産業革命から、世界的に見ても文明発展は加速された。文明発展は生きていく上で便利になった反面、我々現代人は「古代人」に対する憧れや興味を持ち続けている。

現実世界に於ける古代人の定義は、世界四大文明やメソアメリカ文明辺りになるだろうか?

「古代人」の歴史や世界観というものは、ゲームや小説などの創造に影響を与えている。またその飽くなき興味が学問として昇華し、土中や海中で眠っている古代遺跡の発掘を行っている学術団体も存在している。

世界最古の都市国家を形成した「シュメール」を勉強している私自身としては、古代文明を元ネタにした創作物は大好物だ。終盤に訪問する「アーモロート」の世界観に関して言うと、FF14の開発陣が自分達のオリジナルな古代都市国家をどう描写しているのか非常に興味があった。

シュメールを分かり易く言うと、世界四大文明の1つであるメソポタミア文明の部類に入り、現在のイラク南部に発祥した。紀元前7000頃年には既にその存在が認められ、紀元前4500年頃には「ウルク」という世界最古の都市国家が確認される。しかし、シュメール人は唐突に出現し忽然と姿を消したので、幻の民族と言われている。

シュメールの文明は現在レベルに匹敵しており(60進法や太陰暦の使用など)、同時に優れた文学を多く残している。FFユーザーに馴染みがあるものと言えば『ギルガメシュ叙事詩』であろうか(シュメール語だと「ビルガメシュ」)。

栄華の限りを尽くしていたシュメールも異国の侵攻によって滅亡する。その様相は『哀歌』という文学によって描写されているのだが、神々の厄災によって滅亡してしまうのだ。

それこそ「終末幻想アーモロート」の如くなので、IDを攻略している時も『哀歌』を思い出してしまった。

聖書の詳細は知りませんが、ゲームで描写されているアーモロートの滅亡は『ヨハネの黙示録』がモチーフみたいですね。ラスボスのメガセリオンとか。

何故、シュメールを引き合いに出したのかと言うと、実はエメトセルクの最期の台詞はシュメール関連の本によって琴線に触れた為、心を打たれたからだ。

「ならば、覚えていろ、私達は生きていたんだ」

ネタにされているこの台詞だが…

人間は自分のことを知ってほしいと思うのである。すべての人々にわかってもらうことはできなくても、少なくとも自分に好意的である人には等身大の自分を理解して欲しいと思うのである。

小林登志子著 『シュメル-人類最古の文明』 280ページより 中公新書 2005年10月

シュメールと関係を持たない日本人がシュメール語を勉強する意義について提示されている。或る大家の先生が、シュメール語を勉強するのはシュメール人に経をあげる事を意味すると指摘しており、それに続く一文である。

強引な解釈と言われてしまえばそれまでだが、上記は古代人たるエメトセルクについて通じるものがある。

光の戦士は過去の出来事を最後まで思い出さなかったが、古代人が生きていた事実を認識しただけでも、充分な供養に相当し、エメトセルクの微笑にも繋がった、と個人的に考えていますが、こんな考えに至るのは私だけなんですかねー?

取り纏めされていない感想文になりましたが、「漆黒」は素直に面白いと思いました。次のパッチはどんな展開なのか、不安もありつつも見守って行こうと思います。

でも…極は戦いたくないな!

コメント

  1. もんち より:

    さっきまでコメント長々と書いてましたが全消しして書き直したw

    今回のストーリーのおかげでアシエンという「はぁ・・・また出た・・・」って存在が
    エメトセルクの魅力もあり、野望?願望もしっかり分かって良かったですね。

    ただエメトセルクの対比でラハブレア彼は何がしたかったのだろう。
    いや、話をしっかり聞いてれば壊れてきた意味不になってきた。当初の目的が・・・。
    なぞわかるけどさ昔はさぞかし偉かったそうじゃないの知識人で年長者だっけ

    “イシュガルド教皇トールダン7世に神降しの手法を教えるも!
    計られてしまい「騎神トールダン」の聖剣によって魂ごと吸収され、消滅した。”

    「・・・。」

    まぁ彼が消えなきゃエメトセルクは寝る予定になってたんだし結果的にいいかw(何がしたかったのか・・・

    「やっと・・・やっと終われる・・・。」
    「未来はお前達に託した、だが俺達が存在していた事も決して忘れないでくれな」
    ※こんなセリフはありません。そう感じました。

    • ディンギル ディンギル より:

      >もんち君

      ラバフレアの爺さんはすっかり霞んでしまったのだ…。
      そうそう、爺さんは知識人でもあり年長者だね。

      同じアシエンでも描写の如何によって、印象が全然違うね。
      ラハブレアは消滅の仕方が、ちょっと酷いんじゃない?と思ったけど
      蒼天が実装された当時は、アシエンについて言及されていなかったから
      仕方ない。

      エメトセルクの最期の台詞は、そう解釈も出来るね。
      掲示板にも書かれていたけど、とどのつまりは「自分達の事を忘れないでね」になるんだろうね。

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